私たちは価格競争に注力するのではなく、他の側面で日系企業は自らの強みを活かし、得意な領域で競争すべきだと考えております。今回は、その価格競争力について詳しく解説いたします。
まず、最初に述べさせていただくと、「安い製品には理由がある」し、安価な製品は品質が悪いというのは事実です。「一分銭一分貨」という中国の格言があるように、お金を出せばそれなりのものが手に入ります。しかし、購買者が厳しすぎるコストダウンを要求すると、一部のメーカーでは不正行為が横行し、粗悪品が販売されることもあります。この点を考慮しながら、適切なオペレーションが求められます。
人件費と人
中国の人口が多いことは、人件費を抑える理由の一つです。都心部では人件費が高額ですが、地方や農村部では加工作業を内職形式で行う人たちがおり、これが人件費の低減につながっています。ただし、アルバイト形式のため品質や知識、経験に不安が生じ、安すぎる場合には品質問題が発生しやすくなります。
土地代事務所代
アルバイトが自宅で作業することで事務所のスペースが不要となる場合も多くあります。
原材料費
原材料費の低廉な使用も安価な製品を提供できる理由です。中国が資源に富んでいる一方で、リサイクル材料や低グレードな材料の使用が見受けられます。このような原材料は壊れやすい傾向があり、安かろう悪かろうの理由と言えます。
税金ホワイト優遇制度
税務面での工夫も中国企業の特徴の一つです。ホワイトな制度として、地元政府が企業誘致を行い、一定期間の税制面や電気代、地代の超優遇措置を提供しています。これが大きな支援となっています。
税金ブラック処理
ホワイトな手法以外にも、グレーまたはブラックな手法を用いる企業も見受けられます。ただし、外資系企業は税務調査の対象となりやすい一方、中国企業は柔軟で効果的な税務戦略を採用できるため、税金の最適化とコストダウンが可能です。
小市民への徴税の法整備と実務
中国の税務調査は、一般企業や市民にとっては厳しくない傾向があります。そのため、一部企業はグレーな処理を行っていることがあります。ただし、これは日本が悪いという意味ではなく、融資が容易でない中国独自の事情が影響しています。
これらの要因が組み合わさり、中国の価格競争力が生まれているわけですが、安価な製品や無名メーカー製品には十分な注意が必要です。当社はQCDS(品質、コスト、デリバリー、サービス)において、日系企業と同様に重視しておりますので、どうぞご安心ください。 また、何かご質問がありましたら、お気軽にお知らせください。
王俊峰 Byron